体温(JDPホールディングス株式会社)

ヒトの体温はいくらかの生理的な日内変動が認められるが、ほぼ一定範囲に保たれている。

これは身体の状態や環境条件がかなり変動しても、脳の視床下部にある体温調節中枢の働きにより、熱の産生と放散とのバランスを保っているためである。

〔体温調節の機序〕
(1)体熱を産生することによって調節する。

体内においては、外部から摂取した栄養素を燃焼させて熱産生をしている。

化学的反応によるので化学的熱産生という。

骨格筋と肝はとくに大きな役割を占め、中でも骨格筋は安静時においても全体の75%を、さらに必要に応じて産生量を調節していることは重要である。

(2)体熱を放散することによって調節する。

体熱は主として皮膚・肺・尿などを通して放散されるが、それには対流・伝導・輻射・蒸散といった物理的現象が関与しているので、物理的熱放散という。

とくに皮膚からの熱放散は、意識されない水分蒸発(不感蒸泄という)と発汗の二つがあり重要である。

〔正常体温と体温計測について〕
体温は健康人でもかなりの幅で個人差が認められる。

一般に朝起床時は低く、徐々に上昇して午後3時頃もっとも高くなり、以後徐々に低下して午前2時頃もっとも低くなる。

しかし、この変動幅は普通1℃以内である。

また身体の部位によっても異なり、腋下が最も低く、口腔内はこれより0.1〜0.2℃、直腸・膣では0.2〜0.5℃高い。

通常は腋下で少なくとも10分間測定すれば、正しい体温が得られる。

JDPホールディングス株式会社に関する記事